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国連食糧農業機関(FAO)農業バイオテクノロジー・シンポジウムにおける招待講演のご報告

掲載日:2016.02.19

獣医学類獣医疫学准教授
酪農学園大学OIE食の安全センター長
蒔田浩平

2016年2月15日から17日にかけて、イタリアの首都ローマにある国連食糧農業機関(FAO)本部にて、FAOの歴史上初めてとなるバイオテクノロジーに関する国際シンポジウム「持続可能なフードシステムと栄養への農業バイオテクノロジーの役割(The Role of Agricultural Biotechnologies in Sustainable Food Systems and Nutrition)」が開催され、本学OIE食の安全センター長、獣医疫学蒔田浩平准教授が招待講演をして参りましたので、ご報告いたします。日本と世界の持続可能な食糧生産に貢献する酪農学園大学としては、貴重な機会であったと思います。

キーメッセージを以下に簡潔に紹介します。上記URLは開催前に作成されたので未来形の表現になっていますが、会議の中身は以下のとおりで間違いありません。

・今回FAOは参加国における持続可能なフードシステムと栄養の維持に障壁となる気候変動などの問題に対応するために、農業生態学的、またバイオテクノロジーによる解決策を模索する参加国、国際機関、研究機関、大学、農業協同組合、市民団体、民間企業の代表による意見交換の場を設けた。
・本シンポジウムでは、特に発展途上国においてバイオテクノロジーが家族経営農場、他の生産者と消費者に恩恵を与えた事例を参考に意見交換が行われた。
・本シンポジウムはFAOの歴史上初めてオンラインでオランダ、アメリカ、コロンビア、インドネシア、レバノン、ガーナ、イタリアの大学を結び、学生代表が積極的に世界の著名な専門家に質問し、また相互に意見交換する試みがなされた。
・ほとんどの参加国ではGMO(遺伝子組み換え食品)に関して否定的な見方が多いが遺伝子操作でもハイテク化が進んでいる(この部分がキーメッセージに抜けているので蒔田が補足説明)。バイオテクノロジーは遺伝子組み換えの同義語ではなく、発酵・生物肥料・人工授精・ワクチン開発・診断・生物学的殺虫剤・育種への分子マーカーの応用など、GMOによらないものも存在する。
・これらの農業バイオテクノロジー技術については、それぞれの国で政府、研究機関、農家が便益とリスクを慎重に評価して適用の是非を検討すべきである。

シンポジウムのスケジュールと抄録は下記PDFに収められており、蒔田准教授の抄録は61,62ページに掲載されています。
「2.2b.1 持続可能な食品衛生向上ツールとしての伝統的牛乳発酵(Traditional milk fermentation as a potential tool for sustainable improvement of food safety)」

セッション2.2は生産後の付加価値と食品安全(Post production value addition and food safety)についてです。

今回の全てのセッションは、シンポジウムのウェブサイトからビデオで閲覧可能ですので、興味のある方は是非ご覧になって下さい。
http://www.fao.org/about/meetings/agribiotechs-symposium/en/

FAO事務総長José Granziano da Silvaによる開会の挨拶